外国人社員の労働時間・休憩時間管理における入管監査対応の注意点


🚚 外国人ドライバーの労働時間管理と入管監査のポイント

long exposure photography of road and cars

運輸・物流業では、人手不足の解消策として特定技能外国人ドライバーの採用が進んでいます。
その一方で、入管の実地調査では、労働時間・休憩時間の管理が不適切だと、受入れ停止などの行政対応につながるおそれがあります。

特に運転業務を伴う事業では、入管法だけでなく、労働基準法や道路運送法、自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)など、複数のルールを同時に守る必要があり、管理が複雑になりがちです。
ここでは、よくある落とし穴と、今からできる予防法務のポイントを整理します。

📊 運行記録・賃金台帳・出勤簿の「ズレ」が疑われる

入管の審査官は、単にタイムカードだけを見るのではなく、デジタコ等の運行記録、賃金台帳、出勤簿を突き合わせて、実態と雇用条件にズレがないかを確認します。
ここに不整合があると、「労働条件と違う働かせ方をしているのではないか」という疑いを持たれやすくなります。

  • 待機時間を休憩扱いにして、実際には休めていない時間を「休憩」と記録している
  • 残業時間の計算ミスや不払いがあり、労働基準法上の割増賃金が確保されていない

このような状態は、入管に対しても「法令遵守が不十分な会社」と評価されるリスクがあります。

✅ 予防法務のポイント

  • 運行記録、賃金台帳、出勤簿の三つの記録を、時間単位で整合させる仕組みを整える。
  • 同一労働同一賃金の考え方に基づき、日本人ドライバーと同等以上の条件であることを説明できるよう、社内ルールと記録を整理しておく。

🤝 「暗黙の了解」の仕事を放置しない

外国人社員は、日本の職場慣行や「察して動く文化」に慣れていないことが多く、指導担当者との間で「口頭だけの指示」や「暗黙の了解」による仕事が生まれやすくなります。
たとえば、運行前後の車両点検・清掃や、早出・残業が、記録上は労働時間に入っていないケースです。

こうしたズレは、労働条件通知書の内容と現場の実態との差として、入管の審査官から問題視される可能性があります。
また、外国人本人が外国人在留総合インフォメーションセンターや自治体のワンストップ相談窓口などに相談した場合、第三者の目で実態を確認されるきっかけにもなり得ます。

✅ 予防法務のポイント

  • 車両点検・清掃など運行前後の作業を含め、「どこからどこまでが労働時間か」を就業規則や労働条件通知書で明確に定義し、書面に残す。
  • その内容を、外国人社員本人が理解できる言語(母語または理解可能な言語)で説明し、研修記録と署名を残す。
  • 当事務所では、こうした外国人向け研修の設計・実施方法についても、現場の教育担当者と一緒に整理していきます。

🧑‍💼 社会保険労務士との連携体制を示す

運輸・物流業における労働時間管理は、労働基準法や改善基準告示など、社会保険労務士の専門領域と深く関わります。
入管の審査では、企業が労働法の専門家と連携し、継続的に改善できる体制を持っているかどうかも重視されます。

✅ 予防法務のポイント

  • 労働時間や休日、就業規則の作成・変更に関して、社会保険労務士と顧問・相談契約を結び、その関係を説明できるようにしておく。
  • 「入管法については行政書士、労働時間管理については社会保険労務士」という役割分担を明確にし、監査の場面で一貫した説明ができるよう整理しておく。

おおしば行政書士事務所は、入管法専門の立場から、労務監査に強い社会保険労務士との連携をコーディネートし、外国人受入れ企業のチーム体制づくりを支援します。

🔑 入管監査の機会を「体制強化のチャンス」に転換する

入管監査は、単に「チェックされる場」ではなく、自社の法令遵守体制を見直し、現場の働き方を整えるための良い機会です。
労働時間管理の不備は、特定技能外国人の雇用継続だけでなく、日本人社員を含めた全体の労務リスクにも直結します。

おおしば行政書士事務所では、運輸・物流業における外国人雇用を対象に、「入管監査目線」での事前点検と予防法務のサポートを行っています。
特定技能外国人ドライバーの受入れや監査対応に不安がある企業様は、ぜひ一度ご相談ください。


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